経済活動は大きく「生産」「流通」「消費」という3つの部門に分かれ、物流はこの中の「流通」に含まれます。そして、物流の中心になるのが運送です。物を生産するということは、まず原材料や部品を工場に運び、完成した商品は消費者の元に運ばれ、役割を終えた商品や包装材は、再び運ばれてリサイクルされたり最終処分されたりします。このように商品が誕生し、役割を終えるまでの過程で、常に運送が必要になります。また、物流には運送のほか、「保管」「荷役」「流通加工」「包装」「情報管理」といった業務も含まれます。
物流は、生産と消費を結ぶ重要な事業で、物流が止まれば経済活動そのものも止まってしまいます。運輸業の日本経済に占める市場規模は、約23兆2,540億円(2013年度)。GDP(国内総生産)の産業別割合で約5%を占め、この数字は「金融・保険業」の約4.6%を上回ります。このような点からも、物流が経済に占める役割の大きさが分かります。
かつては、各メーカーも物流を自社で行っていましたが、メーカーにとって、販売機会を逃さないための生産管理・流通管理はとても重要です。それが欠品や不要な在庫をつくらず、効率のよい経営を生むからです。そのため物流業務は、戦略性の高いものとして見直されるようになり、高度なノウハウをもった専門の物流企業にアウトソーシングし、自らは生産に専念するというスタイルが定着しつつあります。また物流企業も、総合的な物流システムを構築し、運送はもちろん、そのプランニングから在庫管理まで、企業の物流に関する業務を一括して請け負う新しいサービスを展開し、業務の幅を広げています。
何で運ぶか?という運送の方法ですが、大きく陸上輸送(トラック・鉄道)、海上輸送、航空輸送の3つに分かれ、中でも中心となるのが陸上輸送。特にトラック運送です。
鉄道輸送はCO2の排出が少なく、一度に大量の貨物を輸送できるのですが、レールの上しか走れません。船舶は、大型の貨物や大量の輸送が可能ですが、天候の影響を受けやすいという難点があります。また、航空輸送は、遠方へ短時間で物を運べますが、重い物を大量に運ぶことができません。
レールや天候に左右されず、大型の物も運べ、さらに届け先のドアまで届けることができるという点で、トラック運送には大きなメリットがあります。さらに最近では、トラック運送に鉄道や船舶など複数の輸送手段を組み合わせた「モーダルシフト輸送」も積極的に採用され、CO2の排出を抑制する環境対策の強化や、ドライバーへの負担を軽減するなど、これからの物流の大きな柱の一つになっていくと考えられています。
単位:百万トン
資料:国土交通省
トラック輸送を中心に物流事業を展開する福山通運は、全国を網羅する400の配送拠点を自社で確保する、数少ない大手物流企業です。きめ細かいネットワークと最新の情報システムを駆使し、荷主のさまざまなニーズに合わせて迅速でスムーズな物流サービスを提供しています。保有するトラックは約15,000台。鉄道とトラック輸送を組み合わせたモーダルシフト輸送も積極的に展開しています。
また、海外に多くの拠点を持つグローバルパートナーと連携し、企業の海外拠点から国内まで、通関業務を含めた複合一貫輸送も展開中。倉庫への保管業務と合わせ、荷主のあらゆるニーズに応えています。
福山通運が展開する運送事業は、「特別積み合わせ貨物運送事業」といわれ、地域が異なる経済圏で、エリア内での仕分けと集荷・配達を担い、さらに大型トラックなどによる地域間運行を計画的に行う貨物運送です。全国規模の輸送ネットワークを常時稼働させているという点で、社会インフラ型事業といわれています。
福山通運の運送事業の特徴は、運送する荷物を限定せず、「BtoB」(Business to Business)のさまざまな運送需要を支えているという点にあります。「BtoB」の場面では、運送する物の大きさや種類も多く、またスピードや取り扱いなどに関する要望も厳しく多彩ですが、福山通運はそれに応える高い輸送品質を維持し、日本の経済活動を“物流”で支えています。
2002年入社 業務改善部
1998年入社 支店長